読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

karotousen58のブログ

「変なことを思い出す→そのことについて、変な見解を述べる」というブログ

目的がわからない「全国学力テスト」

 

東京新聞:学力テストで一部生徒の答案除外 沖縄の中学「平均点下がる」:社会(TOKYO Web)

この中学校関係者を庇うわけではないが、実は、映画『みんなの学校』でも似たようなことがなされている。何故かこの映画は批判されない。「批判されるのならまだマシ」と、「平均点を下げてきた」私は思う

2016/08/24 14:18

 

文部科学省の発表によれば、全国学力テスト(全国学力・学習状況調査、全国共通学力調査)の目的は「児童生徒の学力の状況を把握」ということである。

統合教育(注 インクルーシブ教育という言葉を私は使いたくない。いわゆる「投げ込み統合」問題について真剣に考えられているとは思えないからだ。)崇拝者が絶賛する映画『みんなの学校』でも、このテストに関するシーンがあった。「文部科学省の発表とは違った目的で、このテストが使われているぞ」としか思えない描写だった。

去年の夏、映画『みんなの学校』を観た。 去年書いた記事 映画『みんなの学校』に対する疑念 - karotousen58のブログ で述べた疑念は晴れなかった。そして、最も違和感を持ったのは、このシーンである。

更に、(私の観測範囲では)そのシーンに対する批判はなされなかった。むしろ「その小学校は、全国学力テストの点数も高い」とアピールされていた。

ブクマ元記事を読んで思った。「あれれ、あの映画とやっていることは似たようなもんだろ。どうして沖縄の中学の場合は批判されるんだ? あの映画のほうは絶賛されているのに。この違いはいったいどこにあるのだろう? 」

 

映画では、学校が取った行動は次のようなものだった。

テストは多目的教室で行われた。テスト前に、「テストを受ける必要のない子供たち」が選ばれていた。その子供たちはテストのとき、別室に残された。

別室では、「君たちの力を見ます」とか校長が話して、日本地図パズルなどをやらせていた。

残された子供のうちの一人が、「多目的教室に行かんの?」と校長に質問した。すると、校長は答えた。

「みんなの受けているテストは難しい。君たちは他の人と競争しないで自分の成長を知るのです。」といった内容で。

そして、「その小学校は、全国学力テストの点数も高い」とアピールされる際には、このカラクリについては説明がない。

映画を観て、私は思った。

・そうなのか。やはり、文部科学省発表の目的はタテマエだったんだ。

・「1960年代になされていた全国学力テストが廃止された背景には、知的障害者等を受験させないといった類の問題があった。いまの全国学力テストはそれらも考慮されている」などと思い込んでいたら大間違いということなんだな。

・点数の順位を都道府県や各学校が争う、そのために過去問をやらせるなど学校が対策を講じているのは「常識」という話を聞いたことがあるが、嘘とも言い切れないな。

・テストを受けた子供に対しては、(この全国学力テストに限らず)「誤答の中身を吟味し、どうやればよいのか対策を考えていく」という方針を重視することはなさそうだな。「高得点だと成長の証となる(低得点だと成長していない)」と見ているようだな。

・(映画に対するたくさんの絶賛コメントを私が知った後)「その小学校では、全国学力テストの点数も高い」ということを主張する際、どうして「カラクリ」を説明しないのだろう? 文部科学省発表の「タテマエ」を信じている人なんているはずがないということか?

文部科学省発表の「タテマエ」を真に受けるような人は、「みんなの学校」でいう「みんな」にはカウントされないようだな。

 

沖縄の中学校とあの映画との違いは、

「指導していないから学力の改善はできない」「(答案用紙を混ぜると)平均点が下がる」と「みんなの受けているテストは難しい。君たちは他の人と競争しないで自分の成長を知るのです。」

ということか? 後者のほうは「配慮のなされた発言」ということか? 配慮がなされているというのなら、何故、カラクリを明かしたうえで「高得点です」と主張しないのか? 疑問に思う。

後者のほうがタチが悪いと、私は思う。「(本当は大人のためにやっていることなのだが)あなたのために、配慮してあげている」という嫌らしい恩着せがましさも加えられているから。もっとも、前者もほめられたものではないが。

 

「多目的教室に入れない子供」のポジションにいた私は思う。

文部科学省発表の目的は「タテマエ」であること、この全国学力テストでは子供は(大人たちにとっての)点取り競争ゲームの駒であること、高得点を挙げることが成長の証となる(低得点だとならない)と学校側は判断していること、この3点をはっきりと伝えてほしい。「子供だまし」を真に受け続けるのは、危ないことである。

そして、

・(この全国学力テストに限らず)テストの類を受ける際に大切なことは「高得点をあげること」だけではない。

・「誤答の中身を吟味し、どうやればよいのか対策を考えていく」ことも大切だ。

ということも、子供に伝えたほうがいいと思う(少なくとも、子供時分の私には伝えたほうがよかった内容だと思う)。