1970年代の目録や出版案内まで読みたくなった
今週のお題「読書の秋」
1970年代やそれより前の児童書に対して、思いがどんどん暴走していく。暴走していって、「1970年代の目録や出版案内まで読みたくなってしまったこと」について、まとまりのない文を書いてみる。目録や出版案内が「読書」にカウントできるかどうか、微妙ではあるが。
前回書いた「世界名言集(全20巻 ポプラ社)」で終わらないで、図書館で近くに置いてあった他の本まで思い出してしまった。近くには、「私たちはどう生きるか」シリーズ(全20巻 ポプラ社)や「君たちの未来のために」シリーズ(偕成社)もあった。当時の私には、難しそうな本に思えた。
「私たちはどう生きるか」シリーズは1960年頃に初版が出たようだ。ラインナップは、次のようになっていた。
- 吉野源三郎集 星空は何を教えたか 石だんの思い出
- 寺田寅彦集 団栗 柿の種
- 谷川徹三集 人生案内 雨ニモ負ケズ
- 天野貞祐集 おむすびの思い出 今の世を生きぬく力
- 武者小路実篤集 真実の美しさ 人生の名人
- 亀井勝一郎集 友情について 達人のことば
- 小泉信三集 平生の心がけ 国土のすがた
- 西尾実集 ことばの生活 ことばの芸術
- 高村光太郎集 生きたことば 智恵子の半生
- 渋沢秀雄集 父 渋沢栄一 心のアンテナ
- 笠信太郎集 ものの見方について 日本人としての教養
- 串田孫一集 雪の森の一夜 博物誌
- 本多顕彰集 わたしの好きな人、トルストイとわたし
- 金田一京助集 アイヌの話 啄木の話
- 清水幾太郎集 孤独な少年、愛国心について
- 池田潔集 スポーツに学ぶ 世界の窓から
- 辰野隆集 青年とわれら、たたかう心ゆるす心
- 井上靖集 あすなろ物語(抄) ある偽作家の生涯
- 伊藤整集 おていさいの真心 言論の自由と平和
- 中谷宇吉郎集 黒い月の世界 白い月の世界
「これらの本が図書館の児童書コーナーに置いてあったんだな。スゲー。今の私がこれらの本を手にとったとしても、内容を理解できる自信がないぞ。」「『生き方について、本を読んで考える』という態度も、当時は許されていたのだな。今なら、『本に頼った頭でっかちはダメ。友達をたくさん作って人間関係から学ばないとダメ。』とか言われまくるぞ。」と本気で思う。
小学校卒業直前に、このシリーズの『吉野源三郎集 星空は何を教えたか 石だんの思い出』を借りた。
「小6国語教科書に『石だんの思い出』が出ていた。他にどんなものがあるのか読んでみよう。」と思ったからである。読んでみたが、当時の私には難しすぎた。「君たちの未来のために」シリーズは、真面目な人生訓のような内容だったのでは?と想像している(読んでいない)。
これらのシリーズ、ろくすっぽ読んでいないのに、背文字の人名だけは覚えた。「精神的な成長の遅れた、読解力のない子供」だった私が、何故、これらの本が置いてあるコーナーに視線を向けていたのだろう? 不思議だ。
最近、ある知事や政治家による「アウフヘーベン」発言が話題になった。「アウフヘーベン? この言葉の意味をきちんと理解できている自信は、私にはないぞ。高校の倫理社会(注 私が高校生だった頃の科目名)で習った言葉だけど、資料集を読んでもわからなかったぞ。」と私は思った。
ここで、私の頭は変なことをついつい考えてしまう。「ひょっとしたら、昔の児童書なら、哲学とかヘーゲルとか弁証法とかアウフヘーベンとかいったことについてふれた本もあるかもしれないな。」と。
「哲学 ポプラ社」で検索したら、アイドル・ブックス(全60巻)60『哲学ノート』がでてきた。著者は勿論三木清。『人生論ノート』もでてきた。発売年月1967年1月となっていた。他の本のラインナップから考えるに、アイドル・ブックスは中学生も対象となっているようである。
『人生論ノート』?中学生がこれを読むのか?スゲー。
1970年代、ポプラ社からは「理科の実験観察シリーズ全50巻」「子供向けの古典文学全集」も出版されていた。これらのシリーズの内容も興味深い。検索したら、「ポプラ・ブックス」や「ポプラ社の少年文庫」というシリーズも見つかった。
「1970年代のポプラ社児童書目録なんてあるんだろうか?もしもあるのなら、たくさんの面白そうなシリーズものをチェックしてみたい。本によく挿んである出版案内とかもあったんだろうか?それも読んでみたい。」「ポプラ社以外の出版社についても、昔の目録や出版案内を読んでみたい。」なんてことを考えてしまった。