karotousen58のブログ

「変なことを思い出す→そのことについて、変な見解を述べる」というブログ

「4年間で変わったこと、変わらないこと」はてなブログは4周年!

「4年間で変わったこと、変わらないこと」はてなブログは4周年!

 

私の場合、「4年間で変わったこと、変わらないこと」は、どちらも「認知症の親を介護すること」に関係してくる。

変わったのは「認知症の親を介護するうえでの医療や制度等」「親の認知症進行状態」「私が介護離職したこと」で、変わらないのは「高齢期の親に関する諸問題が、私の生活では中心となっていること」である。

 

「介護の必要な事態は、突然にやってくる。しかし、多くの人の場合、やってくるその直前まで介護に関する具体的イメージをほとんど持てない状態にある。」ということを、私は介護が必要となって以降にいろいろな場で見聞きした。それより前は、「見聞きしていたのかもしれないが、全然意識できていなかった」状態だったのだと思う。

母がアルツハイマー認知症と診断されたのは、2010年10月である。私はそのとき初めて、介護等の知識を得る必要性を感じた。そして2011年10月、認知症の新薬が発売された。はてなブログサービス開始と同じような時期だったんだな。初めて知った。

2012年春ごろから、母の認知症進行がひどくなってきた。その年の夏に要介護認定の申請をした。「要支援1」という認定結果だったので、審査請求をした。その後要介護の認定となった。その年いっぱいで私は介護離職をした。

  

親が70歳を過ぎたら読む本

親が70歳を過ぎたら読む本

 

 

「老い」に備える―老後のトラブルと予防法 (文春文庫 な 42-2)

「老い」に備える―老後のトラブルと予防法 (文春文庫 な 42-2)

 

  

「老いじたく」成年後見制度と遺言 (文春新書)

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おひとりさま介護

おひとりさま介護

 

 介護関連は、これらの本がわかりやすかった。ただ、認知症の場合は「認知症と診断される前の段階」が重要だと私は思う。

私の母の場合、「認知症なのか、鬱状態なのか、もともとの性格なのか」わかりにくい形で症状が出ていた。父に相談しても、「もともとの性格」で片づけられた。父は無関心な態度だった(と私は思った)。

当然と言えば当然なのだが、先に挙げたような本は、無関心な人が手に取ることはおそらくない。だから、「非協力的態度の同居人」に関する記述は、やはりほとんど見られない。

2010年の夏は「酷暑」と表現されていた。この年の9月中旬、だいぶ暑さがおさまってきたころに母が言った。

「今年の夏、あまり暑くなかったよね。」と。

これを聞いた私は、「これは本物の認知症かもしれない。もともとの性格というより、所謂『認知症の周辺症状』というやつかもしれない。」と思った。そして受診を決め、その後診断された。この年が冷夏だったら、どうなっていただろう?

 

もしも、身近な高齢者に、「鍋をよく焦げつかせる」「財布の中には、小銭がやけにたくさんある」「入浴を嫌がる」といったことがみられたら、注意したほうがいい。認知症が絡んでいることもありうるから。「小銭がたくさんある」背景として、「計算がうまくできなくなって、1000円などのキリのよい額の支払いをして釣りをもらう」ことがあるから。

また、それらのことがなくても、「エンディングノート」の類については考えておいたほうがいいと思う。

相続、遺言、後見制度、死亡した場合の預貯金凍結、等のことは、認知症発症前に対策を考えておいたほうがいいから。

また、介護によって、「同居人それぞれの、家事に関する現段階での実力」を意識するかもしれない。少なくとも私はそうだった。

「こうまで、父は家事をしたことのない人だったのか。もしもこれが、父の世代の日本人男性多数派だとしたら、一般論として男性がずいぶんと甘やかされてきたということになるぞ。」と、正直私は驚いた。家事をさせようとしても、「わしは機械のことはさっぱりわからん」で逃げる。

電子レンジ、オーブントースター、洗濯機、程度は使えるようにしたほうがいい。「家事をするということじたいが、認知症予防や対策として有効」という意見も、よく見聞きする。

一般論として、介護では、「家族内の特定の人に負担集中」という問題が出てくる場合がよくある。私の観測範囲では、ケアマネさんやヘルパーさんが、「介護の協力など、特定の人以外にはハナから期待していない」的態度を取ることもあるらしい。

「介護離職するなと言われるのは、離職したらその人に負担を集中させる空気ができるから」という意見は、こういったことが背景となっているのだと思う。

 

認知症の人の場合は特に、「要介護認定の申請」について事前に対策を考えておくことが望ましい。先に挙げた本でもいろいろとふれてある。うちの場合は、「非協力的な父のみ」がいる状態で訪問調査がなされた(当時、私は会社員だった)。ぶっつけ本番での調査だったからか、「要支援1」で片づけられた。

審査請求というのも、やってみると厄介なものである。「勉強になった」ということもできるが。

 

そして今年4月、「これは、父もあやしいな」という認識を私が持つに至った。父も「認知症なのか、もともとの性格なのか」わかりにくい形で出ていた。本人は認めていないようだが。

高血圧治療にかこつけ、私は父を受診させた。「健康な状態と認知症の間の段階」ということだった。

母の経過から類推するに、1年後、父も要介護認定申請が必要となるかもしれない。