karotousen58のブログ

「変なことを思い出す→そのことについて、変な見解を述べる」というブログ

てんかんと救急医療

 

トリアージとは?正しい救急車の使い方 - ナースほど誇れる仕事はありません

私はてんかん患者。1980年代、「所謂てんかん大発作で救急車が呼ばれて、タクシー代わりに呼ぶなと叱られた。」という話を何度か聞いた。この病気の場合、呼ばないと危険な場合も稀にある。一般には知られてないかも

2016/01/28 01:27

てんかんという発作性の病気がある。この病気の発作には、いろいろなものがある。意識消失を伴うものやそうでないもの、けいれんの起こるものやそうでないもの、その他いろいろある。

所謂「てんかん大発作」では、全身けいれんと意識消失を伴う。けいれんや意識消失は、たいていの場合1~2分のうちにおさまる。救急車を呼んだ場合、到着したころには発作はおさまっている。

しかし、稀に、けいれんや意識消失が5分以上続く場合がある。これをてんかん重積状態という。この場合は救急車を呼ばないと危険である。

 

はてなブックマーク元の記事を読んで、

・この「てんかん大発作」が起きている患者を目撃した人が救急車を呼ぶ→救急車が到着したころには患者の意識は戻っている→「意識が戻っているのなら、タクシー代わりに呼ぶな」と叱られる

というケースって、どの程度あるのだろうか? 

・「呼んだ人が叱られる」という、気の毒なケースも結構あるのだろうか?

・「てんかん大発作で、救急車を呼ぶ必要があるかどうか」について、患者や家族に情報がきちんと伝わっている状態ではないケースもあるのでは? 伝わったとしても、対策について関心が持たれないという事態になっていないだろうか?

という疑問が、私の頭に浮かんだ。

 

私がてんかんと診断されたのは1981年。ちょうどその頃、「救急車をタクシー代わりに呼ぶこと」がマスコミでしばしば話題にされた。

診断された当時から私は、「てんかん」関連の書籍や新聞記事等はできるだけ読むようにしている。私の親がてんかんに対して偏見を持っていて、てんかん患者であることを今でも認めていないからだ。(てんかん患者と家族 - karotousen58のブログ)こんな状態では、この病気に対しては自分が知識をつけていくしかない。

私の場合、発作は夜間睡眠時に起こる。だから、「救急車を呼んで、注意される」という事態にはなっていない。だが、「てんかん大発作で、救急車を呼ぶ必要性」について、医療関係者から説明を聞いたことがない。

他患者の大発作が起こった場合、適切な行動を取れる自信が私にはない。

 

てんかん患者の間で、「救急車が着いたころには意識は戻っている。『意識がもどっているのなら、タクシー代わりにしないでください。』と医療関係者に言われた。」という声がいくつか出ている。患者の手記等でそれを知った。

これらの患者の声とマスコミ報道から、私は、てんかん大発作の患者を目撃した場合は次の方針を取ろうと考えた。この方針を考えたのは1983年頃である。

・まず最初に、患者の様子を観察し、後で本人や医療関係者に説明できるようにする。

・けいれんや意識消失が5分以上続いたら、救急車を呼ぶ。そうでない場合は、その後のことは本人の判断に任せる。

(つまり、発作を見た→すぐに救急車を呼ぶ とはならない。)

 

ネットが普及してから、私はてんかん関連サイトからも情報を得ることにしている。サイトを見るようになってから、「1983年ごろに考えた方針は、修正の必要がある」と思った。

発作の様子をどのように観測すればいいか? ということについては、次のサイトが参考になる。

第3章 発作の観察と処置 | てんかん情報センター

また、今ではスマホなどで動画を撮ることができるようになった。発作を起こした人の家族がそばにいた場合、「発作の様子を動画で撮ったほうが、病状を伝えやすいかもしれない」と考えて、家族が動画を撮るということもあるかもしれない。

 あるサイトによると、「あなたの場合は、てんかん重積状態にならなくても救急車を呼んでください。」と医師から指示のあった患者もいるらしい。こういう場合は、「てんかん発作で救急車を呼ぶと、非難される」という思い込みを持ったまま接するのは危険だろう。

これらを踏まえて考えるに、患者の側も「発作が起きた時の対応方法、薬の処方、連絡先」等をメモにして身につけておいたほうがいいと思う。

 

結論として

てんかん大発作の起きている人を目撃した場合は、救急車を呼ぶ。(家族等事情のわかっている人が目撃の場合を、除く)

・発作の様子を観察して、本人や医療関係者に説明できるようにする。(とはいっても、身近に患者のいない人が目撃した場合は、何をどうすればいいのか混乱するのは当然です。発作の持続時間、身体の左右どちらかにだけ起こった発作か否か、意識が戻った直後の状態、といったところだけでも注意してくださったらありがたいです。)

・発作の処置について、やってはいけないことを一点。「舌をかまないようにするため、スプーンなどを発作を起こしている人の口に入れる」という対処法を聞いたことがある人も多い。しかし、それをするとかえって危険である。

・患者の側も、「発作が起きた時の対応方法、薬の処方、連絡先」等をメモにして身につけておく。

 といったところでは? と私は考えている。

(注 今まで私は、こういうことを医療関係者や他の患者の前で発言したことがない。現段階で私が出した結論は、医療関係者や他の患者から見れば的外れなものかもしれない。)