karotousen58のブログ

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大学入学試験と資格試験、勉強法が微妙に違うかも

20世紀末に、宅地建物取引主任者(注  現在の名称は宅地建物取引士)の資格試験を受けて合格した。その後、管理業務主任者(マンション管理関係の資格)とマンション管理士の試験に合格した。それぞれ受験1回(学習期間は1年間)で合格した。
この記事では、以降、宅地建物取引主任者(宅地建物取引士)の資格試験を「宅建試験」と表記する。
これらの不動産関連試験は、私にとって、「大学入学試験の勉強法」を振り返って考えさせるものになった。
この記事では、「自分の置かれている立場などによって、勉強方法が変わってくることもあるんだな」とか「過去に受けた大学入試の経験、案外、資格試験でも生きてくる面があるんだな」とか思ったことについて書く。
(なお、宅建試験は今では、私が受けた頃よりもだいぶ難しくなっているようだ。過去に私がやったような勉強法では通用しないかもしれない。管理業務主任者試験とマンション管理士は、初期の資格試験を受験。つまり、今より合格しやすい状況だった。)

  • 「(私が高校生だった当時)予備校のない鳥取県での、大学受験勉強」と「資格学校に自分がアクセスできる(とはいっても、通学ではなく通信教育だが)、資格試験勉強」
  • 「大学受験での、学校と自分との関係性」と「資格試験でのそれ」
    といったところで、特に大きな違いを感じた。


私の住んでいる田舎には資格学校の類はない。宅建に関しては「地元のカルチャースクールで開催の宅建講座」はあったが(因みに、現在はこの講座はない)。この宅建講座を受講した。1年間の講座だった。
20世紀末の宅建試験は、次のようなことが巷では言われていた。今では、これらの発言を真に受けたら危ないと思う。

  • (50点満点の)35点以上取ったら合格。
  • 宅建は資格学校を使うレベルの試験ではない。資格学校利用は、宅建合格後にやること。司法書士とか土地家屋調査士とか不動産鑑定士とかの試験用に。
  • 40点以上を狙うのは、要領が悪すぎる。高得点を狙うより、次の資格試験に備えろ。

管理業務主任者試験とマンション管理士の資格試験では、大手資格学校の通信講座を受講した。通信講座では、「学校が行う直前講習」の通信講座も受講した。通信講座では、講義内容を録音したカセットテープ(たぶん、今は違うものになっているだろう)と講義での板書内容が書かれたプリントも送られた。
正直なところ、「田舎のカルチャースクールでの講座」と「大手資格学校」は、やはり違うと思った。後者の通信教育のほうがずっといいと思った。

 

前置きが長くなった。ここから「勉強法の微妙な違い」「勉強法の似ている点」について書く。

微妙な違い

  • どの学校にするか。どの講座(レギュラーの講座、直前講習など)を受講するか。それらが資格試験では特に重要。田舎の自称進学校での大学入試では、選択の余地がないが。
  • 学校内で、講師や他の受講生との関係性をどのようにしていくか。資格試験では、結構この「関係性」が及ぼす影響大。
  • 「予備校のない鳥取県での、大学受験勉強」では、高校教師がいろいろと勉強方法に干渉してくる場合あり。しかし、資格学校ではそれらの干渉はほとんどない。自分の置かれた環境に合った勉強法でやっていくことが大切。

似ている点

  • 模試を上手に使うことが大切。
  • 過去問研究が大切。
  • 棒暗記に走った勉強では通用しない。できるだけ、「理解を伴った暗記」に近づける。
  • 短期間での追い込みが効きやすい科目かどうか、要チェック。効きにくいタイプの科目は、少しずつでも早いうちから取り組む必要あり。
  • 全範囲をひととおり勉強しておく必要あり。「最初のほうの単元では正答率が高いのだが、後のほうの単元はほとんどノータッチ状態」で本番をむかえるのはまずい。

 

学校や講座の選び方も、勉強法のうちの1つだと思う。
「ナマ講義かビデオ講義か、受講人数がどのくらいか」という観点から考える人もいるかもしれない。「ナマ講義で少人数だったらベスト」と思われるかもしれない。しかし、これは一歩間違えれば危ない。
私が受講した田舎の文化センターでの宅建講座は、受講生が7人だった。講義はビデオ講義ではなく、講師のナマ講義だった。「最高の環境じゃないか。よかったね。」「わからないことがあっても、気軽にすぐに質問できるね」といろいろな人から言われた。「実は最悪の環境だったぞ、これは」が私の正直な感想である。
表現を変えると、「こういう学校には要注意」ということにもなる。

文化センター講座の実態

  • 「年間の講義計画」の類が配布されない。
  • 9月以降でも問題演習をやらない。(試験は10月中旬。講義計画が配布されていたら、事前に対策を考えることもできるのだが。)。「法律が変わったから演習問題が配れない」というのが、講師側の言い分だった。
  • テキストと過去問集が配られたが、それらが使いにくいシロモノ。テキストには索引がなく、目次が使いやすいわけでもなく、練習問題もごくわずか(章末問題が1,2題あるだけ。しかも解説なし。)。過去問集も、解説とテキストとがつながっていなかった。
  • 他の受講生の態度にも問題あり(後で詳しく書く)。

通信教育を受講した大手資格学校では、レギュラーの講座以外にも、ときどき「短期講座」を開催していた。「法律改正点に関する特別講習」「直前講習」があった。直前講習は、通信講座の受講もできた。
これらの「短期講習」、実は重視すべきだと思う。直前講習を受ける時期となれば、「自分の苦手な分野」に意識が向くようになる。「意識が向いた状態での受講」は、「漠然とスケジュールをこなす受講」とはやはり違ってくる。

 

「講師や他の受講生との関係性」について書く。これも「勉強法」の1つになりうると思う。
学校に通って講義を受講するメリットの一つとして、「つらい勉強でも、同じ目標を持った仲間と助け合ったらやりやすくなる」といったことがよく言われる。
しかし、受講生の全員が、必ずしも良い人とは限らない。「他人に干渉したがる、ベテラン受講生」が一緒に受講しているケースもある。
こういうケースでは、「ナマ講義で少人数」はとんでもない環境となってしまう。
文化センター講座では、この「他人に干渉したがる、ベテラン受講生」がいた。
そのベテラン受講生が、高度な質問や他の単元の質問をして、講義を中断させることが度々あった。それだけではない。「夏炉冬扇さん、あんたは全然質問しないじゃないの。そんな態度でいいの? 」とか「夏炉冬扇さん、きれいな字でノートとらなきゃ。やる気あるの? 」とか絡まれた。
「ある程度の内容理解が進まないと、質問なんてできねーよ」「他人のノートなんて、どうだっていいだろ」が私の本心だった。
他の受講生にも問題を感じた。「試験勉強の中身よりも、講師に気に入られることが目標になってんじゃねーの?」と、正直なところ思った。
「4択のマークシート方式だから楽」「模試なんて時間の無駄、先生の講義をきいていればよい」「実務経験が邪魔になって間違える。夏炉冬扇さんは経験なくていいねえ」「夏炉冬扇さんは若いから、暗記ができるでしょう」などと、他の受講生から言われた。「自分が勉強して、合格する」というよりも、「先生様のありがたい講義が、合格に導いてくださる」という姿勢なのでは? と思った。
宅建受験のときに、市販されている合格体験記を読んだことがある。その中に、70歳の人の体験記があった。次のようなことが書かれていた。
「カラフルなペンを使ったり、休んでも後で講義のビデオをみることができる。昔とは違って新鮮で楽しい。」「若い人とお話ができてうれしい。」
この体験記を読んで、「合格する人は、やはりこういう態度をごく自然に取っておられるんだな」と思った。
つまり、「助け合って勉強できる」関係性を作っていくことも勉強法の1つだと思う。

  

模試は、複数受けたほうがいい。問題や解説が、学校によって微妙な違いあり。 
模試を受けて、解説解答を読んで勉強すると(←ここ重要)、「勘違いしていたところや、わかっていないのにわかったつもりでいたこと」がはっきりしてくる。


私の受けた宅建試験では、「権利関係」「宅建業法」「法令上の制限」「税法その他」という分野の出題がなされていた。
「権利関係」は直前の追い込みが効かないから、早いうちから勉強を始める必要がある。点の取りにくい科目だが、正解がわからなくても、何とかして3択や2択に持っていく粘りが必要である。
宅建業法」はやさしい科目といわれていた。しかし、これは勉強が進んだ人によるコメントだと思う。私の場合、始めたころは、「業者と主任者(注 当時の名称)を混同」したり「遅滞なく、速やかに、2週間以内、などいろいろあって混乱」した。「やさしいなんて嘘だ」と思った。
「業者と主任者」「35条書面と37条書面」など、「似ている点と違う点」を意識して勉強するほうがいいと思う。
「法令上の制限」は、最初、とっつきにくい分野だと思った。しかし、この分野は直前の追い込みが効きやすいと思う。
「税法その他」は、独学者にとっては一番勉強しにくい分野。この分野と法律改正点は、良い学校の短期講座受講が望ましい。

全分野に共通することとして、

  • 4択問題だが、全ての選択肢について内容を吟味する必要あり。
  • 出てきた法律の制度趣旨が何なのか? 法律によって誰をどのように護るのか? といったことを考えて勉強するほうがいいと思う。
  • 専門用語も意識すること。『生活笑百科』の類のTV番組や『14歳の法律相談所』(新風舎 残念ながら絶版)の類の本をぼんやり見るだけでも、感触が変わってくる。
  • 試験は4択。「正しいものを選べ」「間違ったものを選べ」というタイプの出題。つまり、選択肢の中には「内容的には間違っているもの」も存在。間違った内容を覚えてしまったらいけないから、「内容的には間違っているもの」を「正しい内容に変えたらどうなるか? 」を意識したほうがいいと思う。
  • 直前1週間では、テキスト全体を5回通して読むこと。全体を通して読むと、新たな発見があるかも(私の場合はあった)。

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by ギノ